矢印 News
2022.09.13
不動産横文字辞典~「フリーレント」

こんにちは!業務課の山下です!

9月に入り涼しくなってきたかと思いきや、まだ暑い日が続いていますね。

まだまだコロナは落ち着きませんが、元気にお過ごしでしょうか。


今回は「フリーレント」をみていきます!

フリーレント?直訳すると「タダの家賃」?でしょうか。良い感じのニュアンスがありますね!

その通り、フリーレントとは一定期間、家賃が無料になる契約のことです。

オーナーにも入居者にもメリットがある内容です。詳しく見ていきましょう!

フリーレント、入居者にとってのメリット

通常の契約であれば、契約開始日から家賃の支払い義務が発生します。

家賃は、一般的に前払い(たとえば9月1日~30日分の家賃を前月8月27日に支払う、というような)となっているので、契約開始日からの家賃を、敷金や礼金とあわせて契約時に支払うことが多いです。フリーレントであれば契約開始日から1ヶ月(契約内容によっては3~6ヶ月のことも!)の家賃が無料となるため、結果的に初期費用を抑えることができます

転居の際は引っ越し業者にかかる費用や敷金礼金、仲介手数料など、多くのお金が必要になるため、初期費用を抑えられることは入居希望者にとって大きなメリットがあるわけですね。

また、実際に転居を行う際は、既に住んでいる家の家賃を払っていることが多いです。その場合、契約開始日によっては現在払っている家賃と、転居後の家賃がどちらも発生し、いわゆる「家賃二重払い」となってしまうことがあります。

こちらも、フリーレントであれば、実際の家賃支払いを契約開始日から遅らせることができるので、家賃二重払いになることを回避することができ、入居者に魅力的なメリットとなります。

テレビのCM等でも、最近は「敷金・礼金0円!」「初期費用無料!」などを見かけることが多くなりました。初期費用を抑えることができるということが、それだけ家を探している入居者にとって重要になっているということですね。

実際に僕が家探しをするときも、気になるポイントになってくると思います。

フリーレント、オーナーにとってのメリット

初月の家賃支払いがなくなるということは、一見オーナーにとってはデメリットのように感じるかもしれません。しかし、実際はオーナーにとっても大きなメリットがあります!

前述の通り、入居者にとって大きなメリットを提供できるフリーレントは、その物件の市場価値を高めることができます。すごく簡単な例ですが、「同じ建物で同じ間取り・同じ家賃であれば、家探しをしている人は初期費用をより抑えることができる部屋に住みたがるだろう・・・」ということは想像できると思います。

このため、フリーレントで物件の市場価値を高めることは、長期空室を避けるために有効な手段であると言えます。

同じく空室を避けるための方法として「家賃を下げる」「リフォームを行う」なども考えられますが、それぞれデメリットもあります。

①家賃を下げる

家賃を下げてしまうことは、不動産投資の要である月々の収入が減り、利回りが下がることに直結するため、あまり好ましくないですよね。

ただし入居者もシビアに家賃は見ているため、相場から家賃が離れてきた場合は下げることも必要になってきます。

②リフォーム(リノベーション)を行う

リフォームを行い、設備を新しいモノに、室内を明るくキレイに住み心地を良くする等。施行する内容によっては家賃を上げることもできますし、空室対策としても効果的な施策です。

デメリットとしては大規模なリフォームを行う場合は数十万円単位のコストが必要になることもあるので、かかった費用の回収には相応の年月がかかってしまう・・・というところでしょうか。

③フリーレントの場合は?

これら①②と異なり、フリーレントでは、あくまで一時的な家賃収入がなくなるだけなので、大きなコストはかかりません。また家賃を下げずに初期費用を抑えることで入居者が見つかれば、フリーレント期間以降の家賃収入が減ることもありません。

フリーレント期間が終わってすぐに引っ越されてしまったら損じゃないか」

と思われる方もいらっしゃるかもしれませんが、そこもしっかりケアされています。

一般的なフリーレント契約には、フリーレント期間終了後、早期に(1年間~賃貸借契約更新にあわせて2年間、など)、退去する際に違約金が発生する特約があります。

フリーレントで1ヶ月無料で住み、その後すぐに退去した場合は、フリーレント分の1ヶ月の家賃+早期解約違約金として1ヶ月分の家賃=2ヶ月分の家賃の支払いを退去時入居者に求めらることができたりするわけですね。

こういった特約により、早期解約へのリスクヘッジもあわせて行うことができます。

フリーレントのデメリット

デメリットについては、入居者にとって・オーナーにとって、これまで紹介したメリットの裏返しですので、サクっといきます!

入居者にとってのデメリット

やはり早期解約違約金の存在ですね。

「出産のために一時的に地元に帰るけど、来年にはまた都心に戻るつもり」

「転勤が多く、いつ引っ越すかわからない」


など、長く住むことを考えていない入居者にとっては、フリーレントで安くなる初期費用を違約金の支払いが上回ることで、結果的に損をする可能性があります。

オーナーにとってのデメリット

上記と表裏一体で、短期解約を行う可能性がある人からの入居申し込みが減ってしまう可能性があるところがデメリットとなります。

東京でいえば新橋や日本橋など、オフィス街に立地するワンルームマンションの場合は、近くの職場で働く方の居住需要が高いことが想定されます。そういったエリアでは頻繁に入居者の入れ替わりがあるので、短期での引っ越しにデメリットが発生するフリーレント契約は、あまり好まれないかもしれませんね。もちろん、初期費用を抑えることが大きな魅力・入居の決め手になるかもしれませんが・・・。

空室を埋めるために

今回の記事ではフリーレントについて、オーナー・入居者双方から見たメリット・デメリットを紹介しました。

前回のコラムに続き、賃貸に関する用語を取扱いましたが、いかがでしたか?!

「こんなの知ってるよ!」と感じられる方も多いかと思いますが、復習も兼ねてお付き合いいただければうれしいです!

今回取り上げたフリーレントや、以前の記事のサブリースなど、改めて不動産には色々な契約や仕組みがあるんだな~と思いました。

いい条件のフリーレントの物件を見つけてみたいものです!!

では次回もお楽しみに~!

山下でした!