矢印 News
2022.09.02
不動産横文字辞典~「レントロール」

こんにちは!業務課の山下です!

さて、もう今年も9月に入り、あっという間だと日々感じております。

最近またコロナが流行っておりますが、いかがお過ごしでしょうか!


今回ご紹介するのは「レントロール」です!

レントロールとは、物件の賃貸借契約の内容の一覧表のことです。
中古でビルやマンションやアパートを一棟買いする際(いわゆるオーナーチェンジ物件、というものです)にその物件の質を見定める材料となるもので、非常に重要な資料です。

区分マンションであれば、その部屋の賃貸借契約書入居申込書を読むことで、「いつから」「どんな人が」「どんな条件(家賃や期間など)で」住んでいるのかを把握することができます。

一棟物件の場合でも、同じく賃貸借契約書や入居申込書を確認すれば部屋ごとの契約内容を把握できるのですが、まだ検討段階の物件でそこまでの情報を読み込むのは大変ですよね。また、そもそも交渉が進むまでは、個々の賃貸借契約の内容は開示されないことも多いです。

そんなとき、部屋ごとの家賃、空室状況、入居者の属性などをまとめた一覧表があれば購入を検討しやすく便利だと思いませんか?

レントロールは物件の状態をわかりやすく開示し、安心して購入を検討してもらうために必要なものです。

レントロールの記載事項

レントロールは売買契約書や重要事項説明書のように、不動産取引にあたって法律上必要な書類というわけではありません。前述の通り、あくまで参考資料として、任意で作成される書類です。

そのため記載される内容はオーナーや担当する不動産会社によってバラバラで、特に決まりもありません。

ご紹介する項目はあくまでも「記載されることが多い項目」なので、ご了承ください。

①現況・用途・入居者

レントロールは部屋ごとの契約内容の一覧表なので、以下の内容もすべて部屋ごとに記載されていきます。

  • 現況」は、現在「賃貸中」か、「空室」か
  • 用途」は、その部屋が「店舗」「事務所」「住宅」など、どのように使われているか
  • 入居者」は、契約しているのが、「個人」か、「法人」か

現況については文字通りの意味ですね。

用途は、一棟マンションであっても、「1階の大きな部屋だけは店舗として営業している」なんてケースもあるので、注意が必要です。住宅の用途の他の部屋よりも高い家賃で契約されていることが多いと思われますが、テナントが退去してしまった場合、全体の収支に大きな影響を与えるリスクがあります。

入居者について、一般的に個人名や法人名は記載されません。あくまでも入居者の属性が「個人」であるか「法人」であるか、だけが記載されていると思います。
「それで何が判るの?」と思われるかもしれませんが、たとえば1,2階は個人の入居者が多いのに、3,4階は法人の入居者ばかり契約している・・・なんて場合には、1つの法人が複数の部屋を借り上げ社宅にしている可能性が考えられます。その法人が契約し続けてくれている間はいいですが、本社移転などによって解約になってしまった場合、一度に相当数の部屋が解約になってしまうリスクにもなります。

②専有面積

その部屋の面積ですね。

基本的に大きい部屋の方が家賃が高くなるので、大きい部屋にも関わらず他の部屋と家賃があまり変わらない場合、ファミリータイプの間取りの入居者付けに苦戦するエリアなのかもしれない、など考えられますね。

③賃料・共益費

賃料と共益費は別々の列に記載されていることが多いですが、これらの合算が実際の家賃収入となります。

見るべきところや注意点は非常に多いのですが、、一言で表すと「高い家賃に惑わされない」ことが大切かなと思います!

  • 新築時からずっと同じ入居者が住んでいて家賃が下がっていない
  • ちょうど2,3月の引っ越し繁忙期(=賃貸需要最盛期)に入れ替わりがあり相場よりかなり高い家賃で入居者が決まった
  • 敷金や礼金をなくし、フリーレントなどをつけて初期費用を抑えた契約とし、そのぶん家賃を高く設定した
  • オーナーの親族が住んでおり、物件の売却価値をあげるため、見せかけの家賃を高くしている

色々な可能性が考えられますが、購入検討する際は、しっかりと相場を調べて、無茶な家賃設定になっていないか判断することが必要です。

将来的に家賃が下落することを考慮に入れたシミュレーションを組みましょう

・・・もし、他の部屋よりも突出して家賃が低い部屋がある場合、告知事項あり物件(いわゆる事故物件、ですね)の可能性もあるので、そちらもしっかり確認しましょうね。

④敷金(保証金)

家賃の滞納や多額の原状回復費用が発生した場合など、あると安心な預り金です。

敷金の場合、基本的に退去時に返金する必要がありますが、契約によっては敷金償却となり返金不要(=オーナーの収入となる)の場合もあります。

部屋によって敷金がバラバラな場合、ペットを飼っていることによる特約がついている・・・なんてこともあるかもしれません。

⑤契約期間

賃貸借契約の開始日、終了日です。

どのように記載されているかによりますが、入居開始日ではないことに注意が必要です。契約期間だけでは、その入居者が更新を重ねて長期間住んでいるのか、それとも引っ越してきたばかりで更新していないのかの判断はできません。

備考などの形で入居開始日やフリーレントの有無などの記載も確認できると安心ですね。

空室リスクをなくすために

今回の記事ではレントロールについて、主な記載項目とあわせて紹介しました。

当社では中古区分ワンルームマンションをメインに取り扱っているため、普段レントロールは使用しません。このコラムの読者の皆さまの中にも、

レントロール?区分マンションはいくつか保有しているけれど、聞いたことない言葉ね

・・・なんて思われた方もいらっしゃったのではないでしょうか!

結局のところ、不動産投資最大のリスクは「空室リスク」であるというように、賃貸の内容が不動産投資ではとても大切です。

  • 空室になったとき、すぐに次の入居者が見つかるか
  • 想定できる家賃でローンは無理なく返済していけるか
  • 家賃が今後大きく下がるようなリスクはあるか

・・・など、見るべきところは区分マンションでも一棟物件でも変わらないということですね。賃貸借契約、しっかりチェックしましょう!

僕も物件を見る目をもっともっと養っていこうと思います!!

では次回もお楽しみに~!

山下でした!