売却に必要となる書類のまとめ
この連載では、取得された物件を売却する際に、実際どんな書類が必要になるのか、下記の①~④を見ていきます。
※売却の想定は区分マンションになります、その他不動産の売却の際は別途、必要書類が異なる可能性がありますので、ご了承ください。
- 登記識別情報通知・権利証(登記済証)
- 評価・公課証明書
- 印鑑証明書
- 身分証の写し
今回は③、「印鑑証明書」について解説します。
「印鑑証明書」とは?
印鑑証明書に関しては、不動産の売買以外でも利用する機会が多いため、馴染みのある方も多いのではないでしょうか。
印鑑証明書とは、登録された印鑑が本物であることを公的機関が証明する書類の事で、正式には「印鑑登録証明書」と呼びます。
なぜ必要なのか?
印鑑証明書と実印(印鑑証明書と同じ印影の印鑑)を捺印した書類がある事で「確かに本人が実印を使って捺印した書類」である事を明確にできるからです。
法務局でも、売主が本当に売る事を自らの意思で同意しているのかを確認するために、実印による捺印と印鑑証明書の提出を求めています。
どこに提出するのか?
所有権移転の際には、登記申請書類と一緒に印鑑証明書を法務局に提出をする必要がありますが、基本的に司法書士の先生が代行をしてくれます。
ちなみに印鑑証明書に有効期限はありませんが、不動産登記令16条3項により「登記申請書類作成後3ヶ月以内のもの」を提出する必要があります。
基本的には、物件引き渡し時期(決済日)からさかのぼって3ヶ月以内に発行した印鑑証明書を用意すれば大丈夫ですので、覚えておきましょう。
たとえば、物件引き渡し時期(決済日)が2022年8月31日の場合は、2022年5月31日以降に発行した印鑑証明書を用意する。
物件引き渡し時期(決済日)が2023年1月25日の場合は、2022年10月25日以降に発行した印鑑証明書を用意する。
逆に、それよりも前に発行した印鑑証明書の場合は、再度発行が必要になってしまうため、注意が必要です。
どうやって取得するのか?
役所での発行の場合、印鑑証明書を発行するには、以下の3つが必要です。
- 印鑑登録証(印鑑登録カード)
- 本人確認書類(マイナンバーカード・免許証・健康保険証等)
- 手数料
これらを持参したうえで、窓口に備え付けられた指定の用紙(印鑑登録証明書交付請求書)に必要事項を記入し、提出します。
また、マイナンバーカードをお持ちで、交付に対応している市区町村にお住まいの方であれば、マルチコピー機の設置があるコンビニエンスストアでも取得ができます。
申請書の記入や本人確認書類が不要であり、午前6時30分から午後11時の間であれば毎日(12月29日から1月3日の年末年始と点検日を除く)発行できるので、非常に便利です。
対応市区町村は下記ホームページをご参照ください。
https://www.lg-waps.go.jp/01-04.html
地方公共団体情報システム機構による、コンビニエンスストア等における証明書等の自動交付についてのホームページです。
近年では電子契約書化が進んでいるが…!?
近年、不動産売買においても契約書の電子化が進み、紙での契約は不要・印鑑の捺印も電子署名へと取って代わられる時代となっています。
ですが、虚偽の申請により所有権が移転されてしまった場合、不動産の所有者は大きな不利益を被ります。
本人確認や意思の確認を厳格に行う必要がある不動産売買においては、今後も印鑑証明書の提出が求められると思われます。
売却時に必要な書類③のまとめ
- 印鑑証明書は登録された印鑑が本物であることを証明する書類。
- 印鑑証明書の取得は役所またはマルチコピー機のあるコンビニエンスストアで可能。
- 印鑑証明書は決済日からさかのぼって3か月以内に発行しましょう。
連載最後となる次回は書類④、「身分証の写し」について解説していきます。
乞うご期待!